
「愛してる」と言ってくれた人にだけは、一生隠しとおしたかった…
問 東京都内のITスタートアップに勤務するY(32歳 男性)は、2012年5月の時点では、横浜市内の高校に通っていたX(当時18歳 現在31歳 女性)と交際していた。YはXとの交際期間中、Xと合意のうえで、自身のスマートフォンで性行為中のXの姿態を撮影し、当該画像(以下、「本件画像」という。)を自身が契約するクラウドストレージに蓄積・保存していた。その後、Xは最新のAIツールやデザイン手法をSNSで発信する著名なインフルエンサーとして数万人のフォロワーを獲得し、その言動がテレビ等のオールドメディアでも頻繁にとりあげられるほど社会的影響力を有するに至っていた。2026年年2月13日、Xが自身のSNSアカウントで一般男性Aとの結婚を報告したところ、そのニュースはネットニュースの枠を超え、主要なメディアでもトピックとして報じられるほどの反響を呼んだ。かかる報道に接したYは、Xとの破局理由に抱いていた不満を再燃させ、Xに復讐する目的で、インターネット上の匿名掲示板に、Xの実名やSNSアカウントへのリンクとともに本件画像をアップロードした。高度なITリテラシーを有するXは、当該掲示板のコンテンツプロバイダがBであることを突きとめたが、Aに心配をかけたくない一心で、事態の早期鎮静化のため、知り合いの認定司法書士Cに被害を相談した。
この事案に関する以下の記述のうち、認定司法書士Cが、私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(以下、「リベンジポルノ防止法」という。)を正しく理解しているものの個数はいくつか。
ア Cは、Xに対して、国の人権擁護機関やNPOが本件画像のアップロードを覚知した場合、これらの組織は、XC間の相談の進捗如何に関わらず、当然にXの代理人として、コンテンツプロバイダBに対して、本件画像の削除等の送信防止措置の申出を行うことができ、Bがかかる要請に応じて本件画像を削除したときは、BはYに対する損害賠償責任を免れるので、Bによる本件画像の早期の削除も合理的に期待し得ると説明した。そのうえで、専門家に依頼すると報酬支払いが発生してしまうので、まずは人権擁護機関やNPOに被害を申告することを提案した。
イ Cは、Xに対して、リベンジポルノ防止法5条について、現状、違法・有害情報相談センター、警察庁の#9110、法務省の人権相談窓口、法テラス、地方公共団体の犯罪被害者相談窓口、各種支援団体等に分散している相談窓口は、将来的には単一の支援組織に統合されるという意味であると説明した。そのうえで、弊事務所が支援することも可能ではあるが、これらの窓口に1つずつ連絡して、自らの判断と責任において最も頼りになると判断した組織に依頼すれば報酬支払いは発生しないと提案した。
ウ Cは、Xからの相談内容を聴取して、当該案件は時間との勝負であることを理解し、直ちにBに対して本件画像の削除等の送信防止措置の申出を行った。かかる申出を受けたBも、直ちにYに対して照会状を郵送した。Yはかかる照会に対して不同意の申出をしたが、Cは泣いているXに対して、BがYに対する損害賠償責任のリスクを承知のうえで、あなたの性的名誉・性的プライバシーが不当に侵害されていると信じるに足りる相当の理由があると判断して送信防止措置に踏み切ってくれましたよと説明すると、Xは一瞬で泣き止んだ。
エ YがBからの照会に対して不同意の申出をしたことを知ったXは、ショックのあまり泣き崩れて、「Aさんに申し訳ない…もう死にたい…」と力なく呟いた。Cは、「あなたが死んでしまったら、もう本件画像の削除等を申立てられる人はいなくなってしまいます。辛いけれど、一緒に頑張りましょう。」とXを励ました。
オ Cは、Xに対して、リベンジポルノ防止法は2014年11月27日に公布され、一部を除き即日施行されているところ、Yによる本件画像の公表行為は同法施行後の2026年2月に行われているが、本件画像が撮影されたのは同法施行前の2012年9月であるから、本件画像はそもそも私事性的画像記録には該当しないと説明した。そのうえで、かかる場合であっても、特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律3条2項2号に基づく削除等の申出はできるとXを励ました。
1 正しいものはない
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