
私事性的画像記録等公表罪。まずは、その前提部分をおさえますのよ♪
問 銀座の会員制クラブに客として通うA(45歳 男性)は、同店のホステスB(23歳 女性)と店外での交際を開始した。交際期間中、Aはホテルの室内において、自身のスマートフォンを用い、2人の合意の上で、あるいは、Bが泥酔して眠っている間に無断で、Bの裸体や性交等の様子を記録した画像及び動画(以下、「本件画像等」という。)を撮影し、自身の端末内に保存していた。2025年12月、Bが店を辞めてAとの連絡を絶ったことに憤慨したAは、Bに対する復讐の目的で、2026年1月15日、本件画像等をBの源氏名や店名とともに、不特定多数人が閲覧可能なSNSやインターネット上の掲示板にアップロードした。
この事案で問題となる私事性的画像記録等公表等罪に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。
1 リベンジポルノ防止法は、私事性的画像記録等の公表行為等を刑罰をもって禁じているが、撮影対象者が画像記録等の削除を申立てればプロバイダ等は迅速にこれに応じるであろうから、撮影対象者の性的プライバシーが侵害されるおそれは抽象的なものにとどまる。にもかかわらず、私事性的画像記録という不明確な文言により、不特定多数人と画像を共有することを通じて自己実現を図る機会を奪う本法は、表現の自由に対する過度の制約として違憲の疑いが濃厚といわざるを得ない。
2 リベンジポルノ防止法1条が、法目的として撮影対象者の性的プライバシーに加えて性的名誉の保護も掲げていることからすれば、撮影対象者の性的プライバシー・性的名誉いずれも私事性的画像記録等公表罪の保護法益であると解される。
3 リベンジポルノ防止法上の私事性的画像記録等公表罪は、刑法や児童ポルノ禁止法との関係で一般法と特別法の関係にたつことから、同罪が成立するときは、わいせつ物頒布等罪や名誉毀損罪、児童ポルノ禁止法違反の罪は成立しない。
4 AはBとの交際期間中に撮り溜めた本件画像等を自らのノートPC内でローカル保存していたが、当該PCについて、ウィルス対策その他のセキュリティ対策を何ら講じることなく、仕事もプライベートも当該PC1台で処理していた。ある日、AがPCを起ち上げると、見たことのない警告メッセージが表示され、Aが生成AIに何が起きているかを質問して状況の把握に努めている間に、ウィルスに感染したこのPCから本件画像等がインターネット空間に流出してしまった。この場合、Aの民事責任はともかくとして、私事性的画像記録公表罪は成立しない。
5 日本法の適用対象は、本邦に居住する日本国籍保有者及び適法に在留する外国国籍保有者に限られることから、Aが本件画像等を海外で公表したり、海外で公表目的をもって提供したときは、Aに私事性的画像記録等公表罪が成立する余地はない。