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事例で学ぶフリーランス法|インフルエンサー兼PRコンサルの落とし穴!募集時の的確表示義務と3条明示を徹底比較【2024年11月施行】

2025-12-26

1 インフルエンサーが直面する募集情報の「嘘」と「漏れ」

問 Instagramでフォロワー5万人を持つインフルエンサーであり、PRコンサルタント業も営むA(従業員を使用していないものとする。)が、従業員200名を抱える化粧品メーカーBがInstagramに出稿した「新作ブランドのPRマーケティング支援(戦略立案およびデータ分析) 月額報酬20万円」という広告を見て応募した結果、6ヶ月間の業務委託を依頼された場合(以下、「本件委託」という。)に関する以下の記述のうち、特定受託事業者の取引の適正化等に関する法律(以下、「フリーランス法」という。)に照らし、正しいものはどれか。

1 的確表示義務3条明示も業務委託事業者の義務である。したがって、Bの従業員数が何人であろうと、BはInstagram広告において的確表示義務を負うとともに、本件委託成立後は一定の事項を書面等によりAに明示しなければならない。
2 BがInstagram広告において的確に表示することが求められる事項は、Bが本件委託成立後、直ちにAに対して書面等で明示する必要のある事項と完全に同一である。したがって、明示事項に含まれていない契約の解除に関する事項については、Bは募集広告においても表示する必要はない。
3 Bのマーケティング担当者Cは、本件委託成立から3ヵ月後、Aが適格請求書発行事業者でないことを問題視し、Aに対して「次回の契約更新までにインボイス登録をしないのであれば、今後の取引は一切打ち切る。」と一方的かつ威圧的にAに通告した。Aから相談を受けたBのハラスメント相談窓口のDが、「Cの発言は取引継続に向けた熱心な説得に過ぎないため、ハラスメントにはあたらない」と回答して何らの措置も講じなかったとしても、Bについてフリーランス法違反の問題が生じる余地はない。
4 BはInstagram広告において、広告クリエイティブの観点を優先して、業務の内容報酬額を記載せず、プロフィール欄のリンク先にもこれらの情報を掲載しなかった。Bは「これらについては、Aに対するダイレクトメッセージで詳細に説明してある」と主張したが、当該Instagram広告は誤解を生じさせる表示として適格表示義務に違反する。
5 BはInstagram広告において、業務の内容について、戦略立案および分析と記載していた。しかし、本件委託に係る契約締結日になると、「AのInstagramアカウントでB社の商品を週1回宣伝すること」を、追加報酬なしで業務に含めるよう要求した。この場合、契約締結の時点でAが追加条件に同意したのであれば、Bについてフリーランス法違反の問題が生じる余地はない。

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