
1 フリーランス法における継続的業務委託契約の解除及び不更新の予告義務を動画編集者の事案で攻略!
問 動画編集業を営むA(従業員を使用していないものとする。)は、従業員30名を抱える広告制作会社Bから、契約期間を1ヵ月として、YouTube動画の編集業務を依頼された(以下「本件委託」という。)。本件委託は既に3回更新されており、現在のAは4ヶ月目の業務に従事している。
この場合において、Bが本件委託を更新しないこととする場合又は契約期間中に中途解除する場合に関する以下の記述のうち、特定受託事業者の取引の適正化等に関する法律(以下「フリーランス法」という。)に照らし、正しいものはどれか。
1 Bが過去3ヵ月間の動画視聴回数及びチャンネルフォロワー数の伸び悩みを踏まえ、Aとの契約関係を打ち切ることを検討している場合であっても、本件委託は既に3回更新されていることから、BがAとの契約を更新しないこととするためには、少なくとも、契約期間の満了日の30日前までに不更新の予告をしなければならない。
2 BがSNS運用コンサルタントCにチャンネル運用について相談したところ、「YouTube動画は最初の数本が勝負という話もありますが、はじめからそういうところを狙うべきではありません。我慢も大事ですよ。」と言われたため、もうしばらく様子をみることとした。しかし、Aとの契約が5回更新されても、チャンネルに目立った伸びは見られなかった。この場合、Aの平均賃金に相当する額の30日分の金額を支払えば、Bは本件委託を即時解除することができる。
3 本件委託に、「月間のコンバージョン数が一定数に達しなかった場合、Bは、本件委託を事前予告なくして解除することができる。」との条項が盛り込まれていた場合において、本件委託の5回目の更新後、月間のコンバージョン数が当該一定数に達しなかったことをBが確認したときは、Bは、当該条項に基づいて、Aとの本件委託を予告なく解除することができる。もっとも、Aに不利な時期に解除するためには、BはAに生じた損害を賠償しなければならない。
4 Aが手掛けた動画はBのターゲットとの関係で高い訴求力が認められ、YouTube動画の視聴回数だけでなく、YouTube動画からの流入によるBのECサイトの売上も順調に伸びていった。しかし、本件委託の5回目の更新後、マグニチュード8.3の大地震でBの人的・物的リソースが致命的なほど失われ、Bの事業継続が不可能となった。この場合、Bは事業継続が不能であることについて労働基準監督署長の認定を受ければ、事前予告なくしてAとの本件委託を解除することができる。
5 本件委託の5回目の更新後、Aが、「これからはカラーグレーディングの時代です!」と言い始めて、、動画編集ソフトをAdobe Premiere ProからDaVinci Resolveに切り替えてしまった場合、YouTubeチャンネル内の動画の仕上がりの統一感が失われたと感じたBは、Aとの本件委託を事前予告なくして解除することができる。この場合、AはBに対して、解除の理由の開示を請求することができない。