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8,000万円の廃材置場!? 夢のマイホームを阻むガラクタの山!

2026-01-02

1 東京地判平成30年3月29日改題【宅建士法定講習】

問 投資ファンドマネージャーXは、自宅建物を建築する目的で、宅地建物取引業者(以下、「宅建業者」という。)Aとの間で、2020年10月21日、宅建業者Yの媒介により、東京都豊島区内にある土地(以下、「本件土地」という。)を、売買代金8,000万円で購入する契約(以下、「本件契約」という。)を締結した。本件契約には、本件土地上に建物を建築する際の地盤改良工事等の費用は買主負担とする旨の特約(以下、「本件特約」という。)が付されている。
本件契約に係る重要事項説明書には、「敷地内残存物、旧建物廃材、建築廃材、浄化槽、井戸」というチェックボックスがあったが、当該ボックスにチェックは入っていなかった。本件土地は、Aが旧建物とともに前主から購入したうえで、解体業者Bに依頼して更地化し、これをXに転売したものであり、更地化工事にはAの従業員Cも立ち会っている。しかし、AはX及びYに対して、地中埋設物等が存在しない旨の物件状況等報告書を提出している。
2025年12月1日、Xが自宅建物の建築のため本件土地を調査したところ、地中において、旧建物の土間スラブ、コンクリートガラ、鉄骨、井戸等の地中障害物等が確認された。これにより、Xは高額な地盤改良工法を採用せざるを得なくなったことから、Yに対して、調査・説明義務違反を理由として、工法変更によって生じた増加費用相当額等の損害賠償請求を検討している。
この事案に関する以下の記述のうち、民法、宅地建物取引業法及び裁判例に照らし、正しいものはどれか。

1 Aの従業員Cが旧建物の更地化工事に立ち会っている以上、本件契約当時、Aは、本件土地の下に地中埋設物等が存することを知っていたものと推認するのが相当であるから、Aには説明義務違反が認められる。
2 Aは地中埋設物等の存在を知らなくとも、物件状況等報告書の作成等を通じて、本件土地の正確な情報をXに告知したうえで説明する義務を負うが、地中埋設物等が存在しない旨の物件状況等報告書を安易に作成・提出したと認定するには合理的疑いが残るため、Aには説明義務違反は認められない。
3 更地化工事の瑕疵というAの責めに帰すべき事由により、本件土地に地中埋設物等が存することとなったが、本件契約には本件特約が付されている以上、将来の地盤改良工事に要する費用を考慮して売買代金額を低額に抑えていたかどうかにかかわらず、本件特約によってAは損害賠償責任を免責される。
4 Yによる重要事項説明の時点で、本件土地は既に更地化されており、また、YはAから敷地内残存物が存在しない旨の物件状況等報告書の交付も受けているが、登記簿を閲覧してAの前主に問い合わせる等して解体業者Bを特定したうえで、更地化工事の詳細について独自に追加調査することも可能であるから、Yは調査義務違反による損害賠償責任を免れない。
5 Xとの関係では更地化工事の瑕疵はAの責めに帰すべき事由と評価されるが、同時に、AはBとの間で締結された解体請負契約の被害者的立場にもたつのであるから、本判決もAのBに対する損害賠償請求を否定する趣旨ではない。

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