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看板ネコ・ダイフク君と学ぶペット法務! 第2缶――インフォームド・コンセントを理解してドヤ顔しよう!

ボクの体で何が起きているの? ダイフク君の沈黙が問いかける、飼い主の自己決定と専門家の判断の相克

問 地元で長らく愛されてきた和菓子店を経営するXは、昨日の夕方頃から、かわいがっている看板猫のダイフク(茶トラのスコティッシュフォールドのオス 8歳)の元気がないことに気づいたため、蒼天動物病院にダイフクを連れて行った。対応にあたった看護師Aから報告を受けた獣医Yは、一通りの検査を実施したうえで、検査結果を整理・分析したうえで、これからXに対してインフォームド・コンセントを行おうとしている。この事案に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。なお、ダイフクは何者からも虐待されてはいなかったものとする。

1 獣医療におけるインフォームド・コンセントの目的は、診療対象である動物自身の自己決定権を尊重することにある。したがって、Yは治療方法の決定にあたり、ダイフク自身に対して治療方法の内容、リスク等をネコ語で根気よく説明するとともに、ダイフク自身が当該治療方法を望んでいるかどうかを確認しなければならない。
2 Yが治療内容やリスクに関する適切な説明を怠ったことにより、Xが治療方針に関する自己決定の機会を奪われた場合、Xは、結果としてダイフクに実害が生じなかったとしても、自己決定権侵害を理由として、Yに対して不法行為に基づく損害賠償請求をすることができる場合がある。
3 インフォームド・コンセントはXの自己決定の前提であることから、たとえ臨床現場で通常行われる簡易な検査や投薬であっても、Xに対してそれらの必要性や副作用等を詳細に説明し、明示的に同意を得た後でなければ、個別的事情の如何を問わず、これらの医療行為を一切行うことができない。
4 獣医YとXの間には、獣医療に関する専門知識において大きな情報格差があるところ、Xの側から病名や各治療方法のメリット・デメリット等を根掘り葉掘り質問することは専門家への不当な干渉となり、ひいては、ダイフクの治療にも悪影響を及ぼしかねないことから、インフォームド・コンセントにおいて、XはYの説明の聞き役に徹するべきである。
5 Yが体調不良の原因特定に必要な検査の結果を説明せず、手術のリスクや代替手段の有無についてもXに一切伝えないまま手術を強行した結果、ダイフクが死亡してしまった場合、XはYに対して既に支出した治療費に加えて精神的損害の慰謝料も請求できる。もっとも、民間人たる弁護士の収入を国家意思として認めるわけにはいかないため、弁護士費用の請求までは認められない。

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