
数値化できないものをあえて数値化した次善の策です!
問 地元で長らく愛されてきた和菓子店を経営するXは、かわいがっている看板猫のダイフク(茶トラのスコティッシュフォールドのオス 8歳)の元気がなくなったことから、蒼天動物病院にダイフクを連れて行った。対応にあたった看護師Aから報告を受けた獣医Yは、一般的な獣医師であれば実施していたであろう検査を実施せず、また、その不実施についてXに何ら説明しないまま独自の治療行為を継続している。この事案に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。
1 Yがダイフクのガンを見落としたまま治療行為を継続した結果、ダイフクが死亡してしまった場合であっても、初診の時点で既にガンの進行が極めて重篤であり、適切な検査・治療を行っていたとしても死亡を回避できなかったときは、ダイフクの死亡について、XはYに対して債務不履行を理由として損害賠償を請求することはできない。
2 XがYと診療契約を締結する際、診療の過程でダイフクが死亡したとしてもYはXに対して一切法的責任を負わない旨の同意書を差し入れていた場合、既に特約が書面化されて自身の署名・押印までなされているのであるから、XがYに対して法的責任を追及する余地はない。
3 肢2の場合において、Xが消費者契約法を理由とする特約の無効を主張したとしても、同法は事業者と消費者の間で締結された物品の売買契約等に適用されるものであり、飼主Xと獣医Yの間で締結される診療契約には適用されないため、XがYに対して法的責任を追及する余地はない。
4 権利能力のないダイフク自身は私法上の権利義務の帰属主体となることはできず、飼主Xの所有権の客体となるにとどまる。そして、Xの財産的損害が填補されれば、特段の事情がない限り、精神的損害の慰謝は不要であり、特段の事情が認められたとしても、裁判所で認容される慰謝料額は、ダイフクが死亡した場合であってもせいぜい5万円程度と言わざるを得ない。
5 Yによる治療の甲斐なくダイフクが死亡してしまった場合、XのYに対する損害賠償請求は、Yの善管注意義務違反を理由とする債務不履行責任、Yの説明義務違反を理由とする不法行為責任、いずれであっても、ダイフクの死後3年以内に行わなければならない。