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条例による規制の調査・説明不足と損害賠償!

1 駐車場2台って書いてあったじゃん!? 収益性を揺るがす窓先空地の調査・説明義務|東京地判平成30年7月11日改題【宅建士法定講習】

問 外資系メーカー勤務のXは、将来にわたり賃料収入を得ることを目的として、宅地建物取引業者(以下、「宅建業者」という。)Aとの間で、2025年12月20日、宅建業者Yの媒介により、東京都豊島区内の土地建物(以下、「本件物件」という。)を、売買代金1億5千万円で購入する契約(以下、「本件契約」という。)を締結した。Yの宅地建物取引士Bは、本件契約に係る重要事項説明の際、本件建物は4室であり、その前面には2台分の駐車スペースがあると説明していた。しかし、2026年1月10日、本件土地の一部が東京都建築安全条例が定める窓先空地にあたることが判明したことで、Xは駐車場については1台分の賃料収入しか得ることができなくなった。Xは、宅建業者Yに対して、不正確な情報を提供して本件契約を締結させたとして、不法行為に基づく損害賠償請求をしようと考えている。
この事案に関する以下の記述のうち、民法、宅地建物取引業法及び裁判例に照らし、正しいものはどれか。なお、本件建物の設計・建築はAが行っている。

1 Xの購入動機が収益物件化にあることをYが知り得たとしても、Yとしては、Aが作成した販売広告の内容を前提としてXに説明しなければならない立場にある以上、駐車可能台数を自ら調査する義務までは負わない。
2 本件物件を設計・建築する過程において、本件物件の駐車場部分の一部が都条例の窓先空地にあたることを認識し得たにもかかわらず、2台分の駐車場収入を得られる旨を記載した販売広告を作成し、これをYに提供したAは、Xとの関係で不法行為責任を負う。
3 宅建業者Yは、収益物件の売買契約の媒介に際して、本件物件に係る法令上の制限について、誤解を生じさせる記載を含む広告を使用しないようにするという意味での注意義務を負うが、それ以上に、実際の駐車可能台数が何台かまで独自に調査する義務までは負わない。
4 宅建業者Yは、収益物件の売買契約の媒介に際して、本件物件に係る法令上の制限について、誤解を生じさせる記載を含む広告を使用しないだけでなく、当該物件の収益性に関する記載の正確性について調査すべき注意義務を負う。したがって、実際の収益力が募集広告の表示を下回るのであれば、売買代金額に収益力の低下割合を乗じて得た金額の損害がXに生じているので、XはYに対してその賠償も請求することができる。
5 宅建業者Yは、収益物件の売買契約の媒介に際して、本件物件に係る法令上の制限について、誤解を生じさせる記載を含む広告を使用しないだけでなく、当該物件の収益性に関する記載の正確性について調査すべき注意義務を負う。したがって、かかるYと媒介契約を締結したXは、Yの調査義務違反を理由として、債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができる。

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