Expertise,Authoritativeness,and DX
岩田 崇一郎
申請取次行政書士
生成AIパスポート
DX推進パスポート2
二等無人航空機操縦者技能証明（新規申請中）
ドローンユーザーに朗報！Mini 4 Proが型式認証を取得
2025年5月23日、DJIの人気小型カメラドローン「Mini 4 Pro」が、日本の国土交通省から第二種型式認証を受けました。これは一般消費者向けドローンとしては初の快挙であり、国内のドローンユーザーの間で大きな話題となっています。
これにより、危険性の高い飛行（特定飛行）の一部が飛行許可申請不要で可能になるなど、飛行の自由度が大きく拡がります。今回は、型式認証とは何か、取得による具体的メリット、機体購入時の注意点、そして今後の展望についてわかりやすく解説します。
Legal Viewpoint
先日、あるドローンスクールを卒業して二等技能証明の要件を充足し、本稿執筆時点（2025年5月30日）ではDIPSから新規取得申請中のステータスです。
その過程で学科試験の勉強もしたんですが、①二等技能証明を取得したユーザーが、②型式認証･機体認証を受けた安全性の高い機体を飛行させるのであれば、いわゆるカテゴリⅡb の枠内で飛行許可承認申請が不要になるとのことでした。
でも、私がスクールに通っていた時点では、②機体認証なんてほとんど話題になっていませんでした。当時は例のAir3s(DJI)が猛威をふるっていて、型式認証を受けたモデルも一応ありましたが、事実上、一般ユーザーの選択肢にはなっていませんでした。
技能証明を取得していなくても国土交通省に飛行許可承認申請をすればドローンを飛行させられる。しかも、申請手数料はかからず手続も迅速化している。他方、技能証明を取得した人が機体認証を受けた機体を飛行させるのであれば申請は不要だが、現状、型式認証を受けたモデルの選択肢がほぼない。スクール高い。
それならば、たとえスクールを卒業して①技能証明を取得できたとしても、あまり意味はないんじゃないか？と、こう見えて悶々としておりました。私の場合は将来の個別申請支援を見据えて、早期スタートとかスクールの雰囲気を体験してみること自体が目的化していたので迷いはありませんでしたが、他のみなさんにとってはどうなのかな？、と。
今回の発表は、このような素朴な疑問に対する国土交通省あるいはDJIからの回答と受け止めてよいものと思われます。今後のカテゴリⅡb飛行においては、❶従前どおり国土交通省に対して飛行許可承認申請（いわゆる包括申請）をする、❷二等技能証明を取得した者が、機体認証を受けたMini4Proを飛行許可承認申請することなく飛行させるという2パターンから選択することができます。
今後、第二種型式認証を受けたモデルが増えていけば、❷飛行許可承認申請なしでの飛行のバリエーションも増えていきます。さらに、今回の発表が第一種型式認証にも波及していけば、一等技能証明取得者によるカテゴリⅢ飛行（人の上空での飛行）も現実味を帯びてきます。あるいは、ドローン物流の社会実装の方が先でしょうか。
今回の発表は、こういった展開への突破口ともなり得るという意味で重要なものといえるでしょう。ただ、航空法等が守ろうとしているのは人の生命･身体･財産といった重要な利益ですから、変化の過程で違反や事故が多発すれば変化のスピードは緩められ、あるいはブレーキがかかります。個々のユーザーの意識が問われ続けることになるでしょう。
型式認証とは？ドローンユーザーが知っておくべき基礎知識
型式認証とは、国土交通省がドローンの設計や製造過程を審査し、安全性を保証する制度です。2022年12月5日より施行された無人航空機に関する新制度の一環として開始されました。
ドローンの操作と飛行範囲に慣れてきた一般ユーザーにとっては、次のステップへ進む重要な鍵となるでしょう。
これに対して、機体認証とは、個々の機体について安全性を確認する制度です。型式認証を受けたモデルを購入したユーザーが、ドローン情報基盤システム（DIPS2.0）から機体認証を申請して認められ、かつ、無人航空機操縦者技能証明を取得しているのであれば、本来であれば飛行許可承認申請が必要な飛行の一部について、申請不要で飛行させることができます。
トラちゃんは名前はトラだけどアメリカンショートヘアーでしょ。だから、型式認証を受けられそうね♪
ファ！！？
アメリカンショートヘアーにもいろんな性格の子がいるよね。良い子にお留守番してくれたら機体認証も受けられそうね♪
ファ！！！！！？
Mini 4 Proの型式認証取得によるユーザーのメリット
DJI Mini 4 Proの型式認証取得により、二等技能証明を取得した人が機体認証を受けた同機を操縦するのであれば、いわゆる特定飛行のうち以下のものが飛行許可承認申請不要となります。
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 人又は物件から30m未満の飛行
- 人口集中地区（DID）上空での飛行
Legal Viewpoint
ここで注意すべきは、夜間飛行と目視外飛行を許可承認申請なしで行うためには、二等技能証明（基本飛行）を取得するだけでなく、昼間限定と目視内限定を解除しなければならないということです。
二等技能証明（基本飛行）を取得しただけでは、「あなたに資格を認めますけど、昼間に機体を目視可能な状況で飛行させられるだけですよ。」という限定がついているんです。操縦者がこの状態のままですと、たとえ②Mini4Proが型式認証を受けても、①二等技能証明の部分で申請不要の要件を満たせないんです。
私もドローンスクール入校に先立ち、あちこちのウェブサイト等で情報を収集したつもりでしたが、この部分を正確に指摘しているサイトを見ることはありませんでした。運が悪かっただけかもしれませんが、スクールの初日の1コマ目に問題演習を通じて知ることができたのはラッキーでした。
将来の個別申請支援を見据えていた私は当初から一等を目指していたので、二等のスクールの段階では費用を抑えるために限定解除は申込みませんでした。ただ、あなたが二等技能証明で十分なのであれば、二等技能証明コースを申込んだスクールで限定解除も申込むことも有力な選択肢になるでしょう。
昼間限定･目視内限定いずれも解除するのであれば、多くのスクールで10万円を超えることになると思われますが、夜景の撮影やFPV等を想定しているのであれば、利便性だけでなく、あなたの立場を守るという意味でも限定解除を推奨します。
また、DIPS2.0からの技能証明取得申請には結構時間がかかりますので、手続負担という観点からは、基本飛行と同時に限定解除も申請できるスケジュールを組むことを推奨します。
型式認証取得済み機体の見分け方と購入時の注意点
型式認証が付与された機体には、以下の情報が明記されています。
- 型式名：DJI Model DJI Mini 4 Pro
- 型式認証番号：No.6
現在、市場に流通しているMini 4 Proは型式認証を受けていないモデルであるため、認証済みモデルを確実に購入するには、販売店やメーカーからの最新情報を確認することが大切です。型式認証済みモデルの販売開始は2025年6月を予定しています。
今後の展望：ドローンユーザーにとっての新たな可能性
今回の型式認証の取得は、ドローンの未来を切り開く大きな一歩です。Mini 4 Proが第二種型式認証を取得したことで、ドローンの利用はさらなる広がりを見せるでしょう。また、今回の成功を受け、今後他の機種でも型式認証の取得が進むかもしれません。
一般ユーザーがより安全に、より自由に空撮を楽しめる環境が整いつつあります。ドローンを趣味や仕事で使う人にとって、まさに追い風となるニュースです。Mini 4 Proの可能性を最大限に引き出すためにも、今後の製品動向や制度の変化に注目していきましょう。
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